写真家 大滝悠索のクレイジーライフ

何事も興味を持って生きてます。

陽はまた昇る気がして




彼と初めて会ったのは幼稚園だった





ズルい事ばかり考えて、その度怒られては泣きじゃくる俺とは正反対で





彼は誰も傷つける事なく、いつもニコニコしたまるで太陽の様な、好青年と言う言葉が最高に似合う男だった




小学校に上がる際、1度は別々の学校になったものの、俺が小学校5年に上がる際に転校が決まって久しぶりの再会となった




小学校5年生になった彼は幼稚園の頃から全く変わっていなく、クラスの太陽的存在になっていた





いつなんどき話しかけても、必ず笑顔混じりな話し方をしていたのはいつ見ても変わらない






その笑顔混じりな話し方をしながら、時折心の中にある自分を主張するアツい男でもあった






本当に太陽の様な存在で何度もそのキャラに憧れた





そんな彼と何度も一緒に下校した





何度も遊んだ事もある





中学校に上がっても一緒だった





悩みが無い事が悩みなんだろうか





そんな事を思ってしまった程、彼の笑顔は無敵を感じさせた





中学校は俺が小学1年~4年まで過ごした小学校と、5年~6年まで過ごした小学校の生徒が一緒になる学校で、入学式早々俺はほとんどの生徒が知り合いと言う少し気持ちが楽な状態でスタート出来た





それからと言うもの、部活も違ったりで彼と話す機会が減ってしまって、たまに会話する程度になってしまった





気まずくなってしまった事は全くなかった






遠く離れてしまった訳じゃなく直ぐ会えるから……と言う安心感があって、たまに会話する事にあまり違和感を感じなくなってしまっていた





高校では完全に別々の道を歩み初め、彼が今何をしてるのか全く分からない状態になった
彼は市内唯一の進学校に入学した為、勉学に力を注いだのだろう





そして成人式後の同窓会





別の同級生と酒を飲み交わしている最中、
突然彼が現れた





現れたと言うより、飛び付いてきたと言う言葉が似合う程突然だった





俺が気づくやいなや、「おい!久しぶりぃ!!!!!!!!会いたかったよ!めっっっっっっっっちゃ会いたかったんよ!!!!!!」





と、知り合いじゃなかったらドン引きしてしまうくらいのアツさで今まで会えなかった感情を爆発させたいた





相変わらず燦々と輝く太陽だった





俺は素直に嬉しかった





今までにも、これから先にも言われる事の無いくらいの感情で言ってきた事を感じれたからだった





やはり彼は大学に進学していた





進学先は隣の県らしいが、行こうと思えば実家から通える様な距離なので、そんなに遠くない





こっちは高卒で就職した為、大学の話し、仕事の話で凄く弾んだ





本当に美味しい酒を飲み交わせた





そんな彼ともう1度酒を飲みに行く約束をした





それから1年半が経った先日の事、高校の友人と飯を食った帰り突然小学校からの友人から連絡が入った





「残念なお知らせ」





「彼が亡くなった」





見た時、本当に何が起きたのか全く理解出来なかった





交通事故との事だった





突然過ぎて、有り得なさ過ぎて、気持ち悪いくらい冷静だった





しかし、そんな考えは友人と一緒に帰っている最中までで、家で1人になった時、本当の辛さがドッと体に降ってきた





一瞬で同窓会の事が頭に浮かんできた





あれだけ会いたがっててくれた彼とあれ以降1度も会えずに亡くなった連絡を受ける事になってしまうなんて……





この21年間彼とあった思い出全てがグルグル頭の中に回り続け、2時になっても3時になっても寝付けなかった……





次の日が通夜と言う事で、俺は会社を早退させてもらって通夜が行われる会場に向かった





突然の事にも関わらず、仕事で忙しそうな友人や、遠い大学に通っている友人も駆け付けていた





通夜も終盤になり親族から代表の挨拶





彼の父親だった





父親は強かった





冒頭で彼の名前を言おうとするも、涙を堪えれず、しばらくの沈黙があったが、その後素晴らしい挨拶をこなしていた





産まれた時から最後に会った時まで





俺の何億倍もの思い出を彼と培ってきたのだろう





父親よりも先立ってしまった複雑な心境もあるだろう





想像を絶する辛さの中で、最後まで挨拶した心の強さは俺には出来ない様な凄さだった





亡くなった彼と、遺族の前では必ず笑顔で会うと強く誓ってたが全く笑顔になれず、結局俺は泣きまくってしまった





俺も彼も成人を迎えても何も変わってなかった





俺は直ぐ泣いて、彼はずっと太陽だった





全然嫌に思っちゃいない





それが個であり、それが良さだと気付けたよ





彼がくれた笑顔、愛情、感謝を俺は一生忘れない





そして、その笑顔と愛情と感謝を与える事、真似させてもらうから





多くの人を呼び寄せ、多くの人を涙させたその生き様をリスペクトして





俺もこれから頑張って行こうと思う





またあの笑顔で話しかけてくるんだろ?





場を暖かくしてくれるんだろ?





いくら願っても、もうそんな事は無い





もう太陽の登ることのない、真っ暗な世界に突っ立っている様だ





いつか太陽に追いついてやる





いつか陽射しが照らす元まで走りきってやる





彼の分まで精一杯生きて





彼の分まで精一杯幸せになって





デッケェ大人になって会いに行ってやる





同窓会の約束を果たせるのが遅くなってしまうけれど、





その変わり前述した誓いをこなして会いに行くよ





ホントに世話になった






ありがとう